いつだったか、父に「今まで食べたもので一番おいしかったものはなに?」と聞いたことがあります。しばらく間があってから、父は、「昔、学生時代に北海道を貧乏旅行したときに山の上で食べた麩菓子。あれが一番だろうな。」と話しました。
そう。そのものが客観的に言ってよい味がする、というだけではなくて、いつ、どこで、何を、どんな状況で食べたかによるんですよね、おいしいかどうかって。
僕にも、口に入れた時に思いがけず目がうるっとしたものがいくつかあります。
アフリカの途上国で国際援助のしんどい仕事を終えて東京に帰って来た友達が、和食が食べたいというので出かけたカウンターだけの小さなお店。そこで出された、囲炉裏の遠火でゆっくりゆっくり焼いた若鮎。
めったに遠出をしない母が父に連れられて上京してきたので、少し奮発して予約した、浜離宮を見下ろす眺めのいいレストラン。そこで出された、厚切りのサーモンのコンフィ。
金曜の夜、大人になってそれぞれ違う世界で仕事をしている友人たちと明け方まで飲み歩き、遅く起きた土曜の昼に一人で入ったタイ料理店。そこで出された、少し濃いめのチキンスープ。
そんな、いろんなものがピタッと合った瞬間に、「ああ、うまい」と独りごちるのです。
またうまいもの食べたい。
そう。そのものが客観的に言ってよい味がする、というだけではなくて、いつ、どこで、何を、どんな状況で食べたかによるんですよね、おいしいかどうかって。
僕にも、口に入れた時に思いがけず目がうるっとしたものがいくつかあります。
アフリカの途上国で国際援助のしんどい仕事を終えて東京に帰って来た友達が、和食が食べたいというので出かけたカウンターだけの小さなお店。そこで出された、囲炉裏の遠火でゆっくりゆっくり焼いた若鮎。
めったに遠出をしない母が父に連れられて上京してきたので、少し奮発して予約した、浜離宮を見下ろす眺めのいいレストラン。そこで出された、厚切りのサーモンのコンフィ。
金曜の夜、大人になってそれぞれ違う世界で仕事をしている友人たちと明け方まで飲み歩き、遅く起きた土曜の昼に一人で入ったタイ料理店。そこで出された、少し濃いめのチキンスープ。
そんな、いろんなものがピタッと合った瞬間に、「ああ、うまい」と独りごちるのです。
またうまいもの食べたい。
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